自然な美しさは、バランスから生まれる。

こんばんは。姫路市の貸し切り美容室 LOWONIDA hair design の田中です。

美容師として、お客様のご要望を叶えることや、イメージ写真に近づけることはもちろん大切です。
しかし、それ以上に大切だと考えていることがあります。
それは、お客様自身では気付けなかった「もっと自然で、もっと似合う方法」をご提案すること。

今回は実際によくご相談いただく2つの事例を通して、LOWONIDAがどのような考え方でヘアデザインを組み立てているのかをご紹介します。

目次

前髪が割れるから、重くすれば解決する?

「前髪がいつも同じところで割れるんです。」
これは本当によくいただくご相談です。

前髪が割れる原因は、生え癖だけではありません。
生え際には短い産毛も多く存在し、生え変わりの周期によって前髪と同じ長さになることはほとんどありません。
そのため、生え癖だけでなく短い毛に押し上げられることなど、さまざまな要素が重なって毎日同じ場所で割れやすくなります。

そこでよく見かけるのが、
「前髪が割れるから、前髪をどんどん増やしてきました。」
というケースです。

しかし、実際にはほとんど改善していません。
なぜなら頭は球体だからです。

頭頂部から生え際へ向かう途中には傾斜があり、その傾斜より後ろの髪は、自然に乾かすと重力によってサイドへ落ちていきます。
つまり、美容室ではブローやスタイリング剤によって前に持ってこられていても、ご自宅で普段通り乾かせば元の毛流れへ戻ってしまうことがほとんどです。

さらに、本来サイドの毛流れや表面のボリュームを作る大切な髪まで前髪として短く切ってしまうため、前髪だけでなく全体のバランスまで崩れてしまうことがあります。

もちろん重めの前髪が好きな方にはそのデザインをご提案します。
ですが、「割れを隠したい」という理由だけであれば、別の方法があります。

隠すのではなく、馴染ませる。

写真をご覧ください。

どちらもセンター付近の隙間は同じです。
左は全体が重いのに、その部分だけ肌が見えてしまうため、不自然に割れて見えます。
一方、右は周囲にも同じような透け感を作ることで、センターだけが目立たず自然な印象になります。

つまり、大切なのは割れを無理になくすことではなく、全体のバランスを整えること。
その方が毎朝のスタイリングも簡単で、自然な仕上がりになります。

外ハネは、アイロンよりカットが大切

ここ数年、外ハネスタイルは定番になりました。
日本人の髪は欧米のブロンドヘアと比べて硬く、内巻きだけでは動きや軽さを表現しにくい髪質です。
そのため、外ハネスタイルが多くの方に支持されているのは、とても理にかなっていると感じています。

その中でよくいただくのが、
「不器用なので外ハネがうまくできません。」
というご相談です。

もちろん、アイロンで綺麗に外ハネを作ることも大切です。
しかし、実は皆さんが思っているほど、外ハネそのものを頑張る必要はありません。

写真をご覧ください。

どちらも毛先の外ハネの角度は同じです。
それでも左の方が、より動きのあるスタイルに見えませんか?

違いは、顔周りのレイヤーです。
右は毛先を外ハネにしただけ。
左は外ハネに加え、顔周りの短い毛を内巻きにすることで、内と外の動きが生まれています。

このわずかな違いが、柔らかさや立体感を大きく変えています。

つまり、大切なのはアイロンの技術ではなく、その動きが自然に生まれるよう、外ハネしやすい長さを設定し、顔周りまで計算してカットされていることです。
そして、ご自宅でも再現できるよう、どの毛を内巻きにすればいいのかをきちんと教えてもらうこと。

それだけで、毎日のスタイリングは驚くほど簡単になります。

本当に変えるべきポイントは、自分では見えないことが多い

今回ご紹介したのは、ほんの2つの事例です。
実際には髪質、骨格、生え癖、毛量、顔立ち、ライフスタイルなど、さまざまな要素が組み合わさってヘアデザインは完成します。

人は悩みがあると、その悩みだけに意識が向いてしまいます。
ですが、本当に変えるべきポイントは、意外と別の場所にあることが少なくありません。

僕自身も、LOWONIDAの店舗デザインをはじめ、洋服や眼鏡、指輪といったファッション、そして車のカスタムなど、さまざまな分野のプロフェッショナルと関わる中で、自分では気付かなかった視点や、新しい解決策に何度も出会ってきました。

自分では気付かなかった視点や、新しい解決策を提案してくれること。
それがプロフェッショナルの価値だと思っています。

髪も同じです。
お客様自身では気付けなかった選択肢をご提案し、「こんな方法があったんだ」と感じていただけること。

自然な美しさは、バランスから生まれる。
LOWONIDAでは、これからもそんなヘアデザインを大切にしていきます。

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