お客様に喜んでいただく、その先へ。

先日、お客様からこんなことを言っていただきました。

「本当に丁寧にやってくれますよね。こんなカットをしてくれる方は初めて。もう十分綺麗だし、これで終わりかなと思ってから、もう一回いろいろ細かく見てくれるので、感心して見ています。」

そんな話から、普段僕がカットの最後に何をしているのか、という話になりました。

LOWONIDAでは基本的に、髪が濡れた状態からカットしていきます。
カットをして、ブラシを使ってブローする。
まずは僕が思う、一番綺麗な状態まで一度きっちり仕上げます。

ただ、僕の中ではそこで完成ではありません。
そこからもう一度、ドライヤーで無造作に風を当てます。
せっかく綺麗に整えた髪を、あえてもう一度崩します。

目次

なぜ、一度綺麗にブローするのか

これは美容師によって、いろいろな考え方があると思います。

SNSなどを見ていると、
「ブラシを使って綺麗にブローして仕上げても、お客様が家で再現できない」
という意見を目にすることがあります。

その考え方も理解できますが、僕は少し違います。
強い癖毛ではない方でも、生え癖や髪そのものの癖は少なからずあります。
その癖が出た状態だけを見てカットすると、その日の髪の動きに合わせて長さを調整することになります。

例えば、普段は癖で少し縮んでいる髪。
特別な日にアイロンを使って綺麗に伸ばしてみると、その一束だけがアウトラインから長く出てくることがあります。
僕は、そういうことも無くしたいと思っています。

そのため、まず髪をきっちり整えた状態を作り、カットラインや全体のバランスを確認します。
綺麗に伸ばした状態で、綺麗であること。
そこを一度しっかり作ります。
※もちろん、カーリーヘアやアフロヘアなど、髪本来のカールや質感を活かしてデザインする場合は例外です。

そして、もう一度崩す

一度綺麗に仕上げたあと、今度はドライヤーでいろいろな方向から風を当てます。
ここで見たいのは、僕がブローして作った髪ではなく、その方の髪が自然にどこへ行こうとするのか。

「この髪はこっちへ行くだろうな」
「この一束だけ、まだ少し重いな」
「ここはもう少し動きがあった方が自然だな」

風で髪を動かすことで、綺麗に整えた状態では見えなかったものが出てきます。
それを確認して、もう一度ハサミを入れて最終調整をします。

一度きっちり整えた状態を作ってから、あえて崩して自然な状態でも確認する。
僕はこの両方を大切にしています。

お客様からは見えないところまで

例えば、襟足のほんの少しのライン。
真っ直ぐなのか、丸みをつけるのか、どこに角を残すのか。
ほんの少しの違いでも、その方の首や頭の形とのバランスは変わります。

正面の鏡を見ているお客様からすると、ほとんど見えていない部分かもしれません。
それでも僕は、細部までこだわります。
なぜなら、そのヘアスタイルを見るのは、その方自身だけではないからです。

後ろ姿を見て、気づいてもらえた

先日、別のお客様からLINEをいただきました。
ご来店いただいてからまだ一週間も経っていなかったので、
「何か気になるところがあったのかな」
と思いながらLINEを開きました。

でも、内容は全く違いました。
そのお客様が歩いていると、後ろから久しぶりに会うお知り合いの方に声をかけられたそうです。

その方は、
「後ろ姿と髪色がすごく綺麗な人がいる」
と思って見ていたら、知り合いだったそうです。

その出来事を、わざわざ僕にLINEで教えてくださいました。
これは本当に嬉しかったです。

自分が大切にしてきた仕事が、実際に誰かの目に留まった瞬間でした。

正面だけでは、完成じゃない

もちろん、前髪や顔周りはとても大切です。
でも、その方が周りから見られるのは正面だけではありません。

後ろ姿も、横顔も、斜めからも。

だから僕は、お客様自身が鏡を見て気に入ってくださることはもちろん、360度どこから見ても綺麗なヘアスタイルを作りたいと思っています。

いい仕事をするために

ありがたいことに最近は、ご予約が埋まる日も増えてきました。
そのため、ご希望のお時間でお取りできなかったり、当日に「この時間の合間でお願いできますか?」とご連絡をいただいても、お断りしなければならないことがあります。

もちろん、短い時間で仕上げること自体は可能です。
ただ、せっかくLOWONIDAを選んで来ていただくのであれば、自分が納得できるクオリティまで仕上げるための時間を確保したいと思っています。

LOWONIDAには、美容室へ行く時間を一つの予定として、1ヶ月前、時にはそれより前からご予約くださるお客様もいらっしゃいます。
その時間を作って来てくださるお客様に、自分のできる一番良い仕事をしたい。

「お客様にはここまで見えないから」
「もう十分綺麗だから」
「これくらいでいい」

そういう基準では、仕事をしていません。

気づいたところは、直す。
まだ気づけていないところはないか探す。

常に100点を目指して仕事をする。

それでも、お客様が帰られたあとに、
「あそこは、もう少しこうした方が良かったかな」
と考えることがあります。

だから、また次回来ていただいた時には、前回の自分よりも良い仕事を。
毎回、前回の自分を超えられるように。

これからも、そんな仕事を続けていきたいと思っています。

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