LOWONIDAは、完全貸し切り・マンツーマンの美容室です。
カウンセリングから仕上げまで、すべて一人で担当しています。
このようなスタイルのヘアサロンにした理由はいくつかあります。
僕の美容師人生は、セット面13席、カラースペース6席のある大きなサロンから始まりました。
そのサロンは「活気があることが良い」という考え方を大切にしているお店でした。
お客様のシャンプーが終わると、店内に響く大きな声で
アシスタント「〇〇さん、〇番にご案内しました」
スタイリスト「はい、ありがとうございます」
そんなやり取りが日常的に行われていました。
自分がスタイリストになってからも他のお客様をカットしながら、アシスタントに大きな声で返事をするのが当たり前でした。
このようなスタイルを否定するつもりはありません。
ただ、正直に言うと、僕はかなり苦手でした。
プライベートでも賑やかな居酒屋や、隣の席との距離が近いレストランにはあまり行きません。
それくらい落ち着いた空間を好む性格です。
当時の環境は僕にとっては少し息苦しく感じるものでした。
またカット以外の施術はアシスタントが担当するため、カラーでご来店されたお客様と関われるのは最初と最後の確認のほんの数分だけ。
最初のカウンセリングもアシスタントが行い、その内容がスタイリストに伝えられる仕組みでした。
自分を指名してくださっているお客様なのに、ほとんど関われていないことへの疑問は次第に大きくなっていきました。
さらに自分のお客様を担当しながら、オーナーや先輩スタイリストのアシスタントも同時に行う日々。
とにかく毎日たくさんのお客様を時間内に仕上げ、全員が手を離せない状況では電話対応までこなす。
常にバタバタと動き続けていました。
それでも当時は、
「忙しい=人気スタイリストの証」
そう思い込み、誇らしい気持ちを持っていたのも事実です。
しかし、その価値観はロンドンへ移住したことで大きく変わりました。
日本の時の様にサロン全体で円滑に回す働き方ではなく一人の美容師が“アーティスト”として、自分の仕事に集中する環境。
基本給少なく、成果が出なければ生活は厳しい。
それでも、その働き方の方が僕には合っていました。
良くも悪くも、日本よりも業務外のことにはドライです。
電話対応や、他のスタイリストの来客対応を頼まれることもありません。
ただひたすら自分のお客様、撮影やショーのモデルさんへの施術と向き合う日々でした。
その経験があったからこそ日本でサロンをするなら、自分の技術を最大限に活かせる環境にしたいと自然に思うようになりました。
日本ならではのおもてなしの中で、自分にとって本当に必要だと感じるものだけを取り入れ今のLOWONIDAのスタイルにたどり着いています。
もちろん自分を高めたり、新たな気づきを得るためには人との関わりも大切です。
そのためサロンの外でカット講師や作品づくりを通して日本だけでなく海外の美容師や、異業種の方々と関わる時間を大切にしています。
自分の技術と感覚に正直に向き合える環境を選んだ結果が今の形です。

